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│研究日誌 第2日目 エリー記す
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標題:動物種はそれぞれ決まった寿命を持っています。
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今日はハル君が私の研究室にデビューする日です。どんな一日になるか楽し
みです。
――バターンッ!
「っひ!」
「おはようございまーーす!」
あぁ、びっくりしました。ハル君ったら勢い良く扉開け過ぎですよ……。
「おはようハル君、朝から元気ですね。」
「それはもう!今日からアンチエイジングの研究ができるんですから、朝起
きてから興奮しっぱなしですよ!先生、今日からよろしくお願いしますね!
」
「ええもちろん。がんばりましょうね。」
「はい!」
うーん……この子の態度は実に気持ち良いですね。
「ところでハル君は一億歳まで生きたいって昨日言ってましたけど、動物種
はそれぞれ決まった寿命があるっていうのは知ってる?」
「はい。聞いたことはあります。悲しいですよね。僕は一億歳生きたいのに
……」
「とりあえず一億歳の話は置いておきましょうか。ちなみにヒトは何歳くら
いまで生きられると言われてるかしら?」
「えーと、確か110歳くらいまでだったような……」
「そうですね。110歳くらいという説もあります。でもそれ以上生きている
ヒトもいますよね。例えばフランス人のジャンヌ・カルマンさんは122年と
164日生きたそうですよ。記録がはっきりしている方に限れば、彼女が今の
ところ世界一長く生きた人間ということになります。」
「僕もテレビで生前のカルマンさんを見たことありますよ。113歳の時の映
像だったと思います。インタビューにもしっかり受け答えしてて、すごいな
ぁと感じた記憶があります。」
「そうですね。彼女は114歳で映画にも出演してるんですって。世界最年長
の女優ということで、当時は話題になったみたいです。」
「わぁ、いいですね。なら僕は一億歳の俳優としてハリウッドでバズーカ撃
ちたいです!」
「ハル君は男の子ですね。私なら…そうですね、100歳の時に80歳年下の男
の子と恋する映画に出たいです。」
「あはは。エリー先生、それじゃ脚本家が泣きますよっ」
「うーん……そうかもしれません。」
「でも今のエリー先生の美貌を100歳まで保てれば全く問題なしです!」
「そうね。そのために研究してるんですものね。」
「僕、エリー先生のためにもがんばります!」
ハル君はやっぱり可愛いです。ふふっ。私もハル君の一億歳でバズーカのた
めにもがんばりますね。
ってそうではなくて、ハル君は人間という動物種の限界を越える気かしら?
なんだか話が脱線してしまったのでこの話はまたにしましょう。
│備考欄 (今日の要点)
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動物種にはそれぞれ決まった寿命があると言われている。
ヒトの場合は110歳
●参考文献
動物種固有の寿命:老年医学テキスト 改訂第3版、P.10、日本老年医学会編
、メジカルビュー社(2008)
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