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│研究日誌　第27日目　エリー記す
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　標題：心血管病変を防ぐ食事
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　今日はとっても体調が良いです。一昨日と昨日はインフルエンザにかかって
　大変でしたが、薬が効いてきたみたいですね。

　「エリー先生！今日はおきれいですね！」

　むむっ！

　「……"今日"は？ハル君、それはどう言う意味でしょう？いつもはそうでは
　ないと言いたいのかしら？(ニコニコ)」

　「ひっ……すみません！いつもお美しいですです！」

　「ふふっ、ありがとう。」

　「あの、えーと、僕が言いたかったのはですね、昨日はとってもお辛そうで
　したので、いつもより美貌が1割減だなぁと思ったので、そのあの……」

　「あら、そうでしたか。そうなんですよね、昨日はお化粧のノリもイマイチ
　で……

　――10分経過

　……という訳でしたの。本当、インフルエンザは怖いですね。」

　長々1割減の理由を語ってしまいました。言い訳のつもりはありませんが、
　私の容姿に関わることですから、いい加減にはできません。

　「……はぁ、本当ですね。僕もインフルエンザには気を付けます……。」

　ハル君がなんだか疲れた顔をしてますね。うつしてしまったかしら？

　「あ、そうそう、ハル君、動脈硬化の話を聞きたいの前に言ってましたよね
　？」

　「覚えていて下さったのですね！てっきり忘れられてしまったのだと思って
　ました。」

　「ごめんなさいね。では話をしましょう。まず動脈硬化は様々な病気の原因
　となります。病名としては冠動脈(心臓の筋肉に栄養を送る血管)疾患、脳血
　管障害などですね。結局病態としては血管が詰まると言うことで同じなんで
　すけど、場所が違うので名前も違います。」

　「血管って酸素や、糖やタンパク質などの栄養を運んでいますから、詰まっ
　たらその先にある組織は酸欠と栄養不足でダメになってしまいますよね。」

　「その通りです。血管が詰まる病気はとても怖いのですよ。」

　「エリー先生、動脈硬化を防ぐにはどうすれば？」

　「そうですね……では食事について述べましょうか。動脈硬化によって生じ
　る心血管病変を予防する効果が示されている食事内容には、不飽和脂肪酸(特
　に多価)や魚介類や植物由来の n-3 系不飽和脂肪酸、果物、野菜、ナッツ、
　未精製穀類などがあります。」

　「不飽和脂肪酸ですか。魚に多いんですよね。魚をいっぱい食べればいいの
　ですか？」

　「その通りです。例えば心筋梗塞の死亡率は魚の摂取量が増加するほど減少
　します。また魚介類や植物由来の n-3 系不飽和脂肪酸の摂取が増加するほ
　ど虚血性心疾患の頻度や死亡率が減少します。」

　「お魚か〜。アジの開きとかおいしいですよね！」

　「私は Filet de poisson grille なんかが好きですよ。」

　「……えーと……ほんと、おいしいですよね。そのオランダ料理。」

　「いえ、フレンチです。」



│備考欄　（今日の要点）
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　魚に多く含まれる不飽和脂肪酸には心血管病変に対する予防効果がある。



●参考文献
　心血管病変を予防する食事：老年医学テキスト 改訂第3版、P.170-171、日
　本老年医学会編、メジカルビュー社（2008）

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