エリーアンチエイジング研究室

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│研究日誌 第3日目 エリー記す
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 標題:細胞には分裂できる回数に限界があります。
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 今日は新人のハル君に研究室の中を案内して回っています。

 「エリー先生、いろいろ見たこともない機械がありますね。僕もあれらを使
 って研究することになるんですよね?」

 「そうです。ハル君には様々な実験をしてもらう予定ですから、機械の使い
 方とか、覚えることはいっぱいありますよ。がんばって下さいね。」

 「もちろんです!いやー楽しみだなぁ。僕機械触るの大好きです。子供の頃
 は父さんのステレオとか携帯電話とか分解して遊んでたんですよ。組み立て
 られなくなってよくゲンコツもらってました。あははっ。」

 「……お願いですから研究室の機械は分解しないで下さいね。」

 「……どうしてもですか?」

 「ど・う・し・て・も、です。」

 「……ぐぅっ……分かりました。我慢します……。」

 あ、危ない……恐ろしい子……。とりあえず次に行きましょう。

 「ハル君、見て下さい。ここは細胞を培養する部屋です。いろいろな細胞を
 使って老化とアンチエイジングを研究します。無菌にしておかないといけな
 いのできれいに使って下さいね。」

 「はい。それにしてもチリ一つ落ちていませんね。エリー先生が掃除を?」

 「そうです。これからはハル君にもお願いしますね。」

 「はい!舐めても大丈夫なくらいピカピカにします!」

 いえ、そこまではいらないのですが……。

 「……こほん。ところでハル君、細胞は分裂できる回数に限界があることは
 知ってる?」

 「ふふふっ、当然です!」

 「よろしい。ではちょっと説明して下さい。」

 「えっと、細胞には分裂可能回数に限界があって、ヒトの場合は約50回です
 。分裂を繰り返すとだんだん細胞の元気が無くなっていくので、この現象を
 "細胞の老化"とも言うみたいです。分裂回数の限界をヘイフリック限界とも
 言います。」

 「そうですね。実際に若いヒトから取った細胞と年老いたヒトから取った細
 胞を培養すると、若いヒトの細胞の方が多くの回数を分裂します。細胞分裂
 回数と老化はとても関係が深いと考えて良いと思います。」

 「僕が一億歳まで生きるには、分裂限界をなんとかしないといけないと常々
 考えてるんですが、どうしたものでしょう?」

 「私もお肌の細胞分裂回数を増やせれば、皺のないピチピチのお肌を保てる
 のではないか考えることがあります。でも今のところその方法はありません
 ね。これから二人で探って行きましょう。」

 「はい!よーし、がんばるぞ!」

 その調子です、ハル君。私も自分の美貌を保つためがんばります!
 


│備考欄 (今日の要点)
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 細胞には分裂できる限界がある。



●参考文献
 細胞の分裂限界:老年医学テキスト 改訂第3版、P.11、日本老年医学会編
 、メジカルビュー社(2008)

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