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│研究日誌　エリー記す
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　第37日目　活性酸素の消去系
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　「エリー先生、今日は活性酸素を消去する物質の話ですよね？楽しみです！
　」

　「ふふっ。昨日はお預けでしたものね。」

　「エリー先生、なんだかその言い方グッドです！どきどきしました！」

　「？？？ハル君の心拍数がなぜ上がったのかは分かりませんが、とりあえず
　この表を見てみましょうか。」

　（ぱらり）



　表　おもな活性酸素消去系の性状
　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　消去系　　　　　　　　　　　　　　　　　　区画
　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　消去酵素

　　スーパーオキシドジスムターゼ　　　　　　全組織の細胞

　　　Cu/Zn-スーパーオキシドジスムターゼ　　細胞質、赤血球

　　　Mn-スーパーオキシドジスムターゼ　　　 ミトコンドリアのマトリック
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ス

　　　細胞外スーパーオキシドジスムターゼ　　細胞外(血管壁、マクロファ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ージ)

　　カタラーゼ　　　　　　　　　　　　　　　肝臓、腎臓、赤血球のペルオ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　キシダーゼ

　　グルタチオンペルオキシダーゼ　　　　　　細胞質

　　グルタチオンレダクターゼ　　　　　　　　おもに細胞内

　　チオレドキシンレダクターゼ　　　　　　　おもに細胞内

　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　結合タンパク質

　　アルブミン　　　　　　　　　　　　　　　血漿

　　セルロプラスミン　　　　　　　　　　　　細胞外液(血漿、間接液)

　　トランスフェリン　　　　　　　　　　　　血液

　　フェリチン　　　　　　　　　　　　　　　肝臓および非増の細胞質中

　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　低分子抗酸化物質

　　グルタチオン　　　　　　　　　　　　　　細胞内外の親水性区画

　　そのほかのチオール化合物　　　　　　　　システインなど

　　ビタミンC　　　　　　　　　　　　　　　 親水性区画

　　ビタミンE　　　　　　　　　　　　　　　 細胞膜脂溶性区画

　　尿酸　　　　　　　　　　　　　　　　　　血漿、細胞質

　　ビリルビン　　　　　　　　　　　　　　　血漿




　「活性酸素も全身で発生してますけど、抗酸化系もちゃんと全身にあるみた
　いですね。細胞の中に、外に血液中ってことで。」

　「それだけ活性酸素が毒だということでしょう。きちんと防御しないと生体
　が傷だらけになってまいますから。」

　「今の表で各抗酸化物質の存在場所は分かりましたけど、それぞれどんな風
　に活性酸素を消去しているんですか？色々あるってことは異なる反応を通し
　てそれぞれが得意なやり方で活性酸素を消去しているのだと思うんですが。
　」

　「良い着眼点ですね。それについても述べたいところですが、続きは明日に
　しましょう。」

　「え〜、またですかエリー先生。本当に焦らすのが上手なんですから。僕を
　こんなにもそわそわさせて一体どうしようっていうんですか！」

　うふふっ。さて、どうしましょう？

　……って別に他意は無かったのですが……。




│備考欄　（今日の要点）
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　活性酸素を消去する物質は多様であり、存在場所もさまざまである。



●参考文献
　おもな活性酸素消去系の性状：石川冬木　編、『老化研究の最前線』、p.16
　、シュプリンガーフェアラーク東京(2002)

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