エリーアンチエイジング研究室

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│研究日誌 第4日目 エリー記す
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 標題:皮膚の老化を防ぎましょう。
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 今日はハル君が朝からいつにも増してニコニコしてます。何か良いことでも
 あったのでしょうか。

 「ハル君、何か嬉しいことでもあったんですか?」

 「そうなんですよ、エリー先生! 聞いて下さい! 実は昨日、僕の彼女に
 化粧水を買ってあげたんです。」

 ハル君、彼女いたんですね。どんな方なのでしょうか?

 「彼女が前から欲しいって言ってたものなんですけど、ちょうど薬局で特売
 してたもので。そしたら彼女すっごく喜んでくれて、昨日はごちそう作って
 くれたんですよ!いやー、彼女の笑顔が見れたし、おいしい物食べられたし
 で今日はとっても気分がいいんです。」

 「そうだったのですか。よかったですね。」

 「はい!でも化粧水って結構高いんですね。水に香りが着いただけみたいな
 ものなのに。女性はお金がかかって大変ですね。」

 「そうですね。でも女性にとってスキンケア品はとっても大切なものですか
 ら、高くてもより良い物を使おうと思うものです。」

 「スキンケアって言ったら、お肌の老化を防ぐために行なっているんですよ
 ね?」

 「それもあります。お肌の老化については知ってますか?ハル君。」

 「えーっと、年を取るに従って保水力がなくなってお肌に張りが無くなって
 いくって言いますよね。あと紫外線を浴びると、皺とか、しみとかができ
 るということですが……。」

 「その通りです。お肌、つまり皮膚の老化には大きく2種類あります。

 一つは『生理的老化』と言って、加齢に伴って皮膚を作る組織の機能が低下
 することで起こります。

 具体的には皮脂分泌量が少なくなり、コラーゲン繊維などの皮膚に張りを与
 える物質が減少し、みずみずしさを与えるヒアルロン酸の減少などが起きま
 す。

 もう一つは『光老化』と呼ばれ、紫外線が皮膚にあたって皮膚を作っている
 ている細胞が傷つけられたときに起きます。

 紫外線が皮膚の細胞にあたると、遺伝子に突然変異が起きて黒子やしみを作
 る細胞ができる場合があります。また紫外線があたることで皮膚の組織中に
 フリーラジカルが作られ、繊維芽細胞というコラーゲンを作っている細胞の
 機能が低下して、コラーゲン産生が減少してしまうと言われています。他に
 は変性弾力繊維という異常な繊維が作られて、大きな皺を作るとも言われて
 ますね。」

 「エリー先生、光老化って、一度進むと戻らないんですか?」

 「全く回復しない訳でもありませんが、完全に元通りにはなりませんよ。紫
 外線による傷は確実に蓄積していきます。でも生理的老化と違って光老化は
 紫外線さえ避ければ防げるのですから、肌を出さないようにしたり、日焼け
 止めをったりして予防に努めることをおススメします。」

 「そうなんですか。僕日焼けって数ヶ月すると元に戻るから、紫外線にあた
 ってもあまり気にしてませんでした。」

 「若いうちは皮膚の細胞も元気ですから、ちょっと傷ついたくらいでは影響
 は見えにくいのでしょうね。でも年を重ねればそれまで受けた紫外線量に従
 ってお肌に老化が現れてくるので、若いうちから紫外線は避けておいた方が
 良いでしょうね。」

 「わかりました。今日の帰りにでも日焼け止め買いますよ。」


 私も10代の頃は日焼け止め無しで山に行ったり海に行ったりして、真っ黒に
 日焼けしたものですが……あぁ、なんてことをしてしまったのでしょう。あ
 の頃の私に注意してやりたいです。とほほ。



│備考欄 (今日の要点)
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 皮膚の老化には『生理的老化』と『光老化』がある。

 光老化は紫外線を避けることで防ぐことが出来る。


●参考文献
 皮膚の『生理的老化』と『光老化』:老年医学テキスト 改訂第3版、P.566、
 日本老年医学会編、メジカルビュー社(2008)

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