エリーアンチエイジング研究室

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│研究日誌 エリー記す
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 第45日目 認知機能を高める薬
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 ハル君がデスクで船を漕いでいます。すごく疲れているみたいです。

 「ハル君、大丈夫ですか?」

 「んあ?……あ〜、エリー先生、おはようございます。」

 「眠たそうですね。疲れてます?」

 「ここのところ夜遅くまで論文読んでいるもので、眠くて仕方が無いです。
 」

 「研究熱心ですね。では濃い目にコーヒーを入れますね。」

 「ありがとうございます。ところで認知機能を高める薬ってありますよね。
 眠気を覚ますこともできるとか。確かリタリン、アデラール、プロビジルっ
 て名前だったと思いますが、今の僕みたいな状態で飲めば頭スッキリできる
 んですよね。欲しいなあ。」

 リタリン、アデラール、プロビジルと言えば↓

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 商品名 :リタリン

 有効成分:メチルフェニデート

 使用  :ADHD やナルコレプシーの治療薬
      日本では第一種向精神薬に指定
      処方には厳しい制限がある

 効果  :集中力上昇、覚醒、衝動的行動の軽減、他

 薬理作用:ドーパミンの再吸収を阻害する

 その他 :アンフェタミンより副作用が小さいとされるが、毒性と依存性は
      ある。

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 商品名 :アデラール

 有効成分:アンフェタミン

 使用  :昔は ADHD やナルコレプシー の治療薬として使用されていた。
      日本では覚せい剤に指定され、違法とされる。
      世界的に見ても違法の場合が多い。

 効果  :持久力や身体能力の向上、集中力上昇、覚醒、他。

 薬理作用:モノアミン神経伝達物質のノルアドレナリンおよびドーパミンの
      放出促進と再取り込み阻害によって中枢神経に作用する。

 その他 :毒性と依存性がある。

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 商品名 :プロビジル

 有効成分:モダフィニル

 使用  :ナルコレプシーの治療

      日本では第一種向精神薬に指定

 効果  :副作用や行為障害を伴わずに覚醒状態を維持できる。

 薬理作用:ドーパミン取り込み阻害、VLPOでのノルアドレナリン取り込みの
      間接的な阻害、オレキシン系の賦活作用が合わさって作用を発現
      する可能性がある。詳しいメカニズムは明らかではない。


 その他 :リタリンやアデラールの次の世代の認知機能亢進薬。
      重大な副作用は報告されていない。

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 というものでしたね。

 「プロビジルはともかく、リタリンは毒性や依存性が報告されています。ア
 デラールに至っては覚せい剤指定されてます。」

 「あはは。ちょっと言ってみただけです。そういえば『Nature』誌に倫理学
 や神経科学の分野で著名だという7人によって、「認識能力増強薬の、健康な
 人による責任ある使用に向けて」という論説が載ってましたよ。合法化すべ
 し、ということでした。」

 「副作用が無い認識能力増強薬なら良いと思いますけど、リタリンやアデラ
 ールだと使用法を間違うと危険ではないでしょうか。」

 「副作用は嫌ですね。でも年取ると脳機能が低下しますから、そういう時に
 認識能力増強薬あると良いですよね。毒性も依存性も無い薬が早くできない
 かなぁ。」

 「ふふっ。脳科学の発展は著しいですから、近いうちに出るかもしれません
 ね。」



│備考欄 (今日の要点)
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 認識能力増強薬を用いれば高齢でも高い脳機能を維持できる。



●参考文献・記事
 リタリン:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』項目「メチル
 フェニデート」

 アデラール:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』項目「アン
 フェタミン」

 プロビジル:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』項目「モダ
 フィニル」

 「認識能力増強薬の、健康な人による責任ある使用に向けて」
 http://wiredvision.jp/news/200812/2008121523.html

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