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│研究日誌 エリー記す └───────────────────────────────────  第57日目 体重あたり代謝量が小さいと寿命は長いです。  ───────────────────────────────────  「ハル君、代謝量と寿命の関係について知っていることはありますか?」  「えっと、体重あたりの熱代謝量が多いほど寿命が短いって言う話は知って  いま
キよ、エリー先生。」  「よろしい。では今日はその話をしましょう。この表を見て下さい。」  動物      体重     最大寿命    生涯代謝量          (kg)     (年)      (熱量[kjoule]/kg)  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  馬       450       30        711  牛       450       26        590  犬        22       9        686  猫        3       8        937  テンジクネズミ  0.6      6        1,113  「うーん……確かに馬や牛はテンジクネズミや猫に比べると体重あたりの代  謝量が小さくて最大寿命が長いようですけど、犬はちょっと違う感じですね  。」  「そうですね。ただ他の動物でも調べられていて、それらのデータを合わせ  ると最大寿命は体重あたり生涯代謝量に反比例する"傾向"があるということ  です。」  「エリー先生、代謝量が増えれば寿命が縮むということですよね。ならたく  さん運動するヒトとじっとしているヒトでは、じっとしているヒトの方が代  謝量が少なくて長生きしそうですけど、どうなんでしょう?」  「運動しないといろいろな病気になる率が高くなりますから、この場合は運  動するヒトの方が長生きしますね。最大寿命と代謝量の関係は違う動物種ど  うしを比べた時に出てくる傾向なので、同じ種内では比べられませんよ。」  「なんだか複雑ですね〜。」 │備考欄 (今日の要点) └───────────────────────────────────  体重あたり生涯代謝量が小さい動物ほど最大寿命は長い傾向にある。 ●参考  寿命と代謝量:R. Perez-Campo a M. LoA pez-Torres a S. Cadenas  C. Rojas a G. Barjan. The rate of free radical production as a  determinant of the rate of aging:evidence from the comparative  approach. J Comp Physiol [B]. 1998 Apr;168(3):149-58. エリーアンチエイジング研究室
エリーアンチエイジング研究室

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