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│研究日誌 エリー記す
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第74日目 がんワクチンの可能性
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「エリー先生!がんがワクチンで治るようになるかもしれませんよ!」
※がんワクチン
がん細胞が特異的に発現させているタンパク質を患者に注射し、そのタンパ
ク質に対して免疫反応を引き起こす免疫細胞を活性化させ、タンパク質を発
現しているがん細胞への攻撃を亢進してがんを治療する。
「いったいなんの話ですか?ハル君。」
「あっと、失礼しました。いえね、久留米大学医学部で国内初の「がんワク
チン外来」を開設したっていうニュースを見まして。なんでも開設後2時間
で1700人が申し込んだものですからいったん受付を中止しているらしんです
よ。」
「ああ、それなら私も見ましたよ。とても注目されていますね。なんでも数
10種ある薬剤から個々の免疫にあうものを最大4種組み合わせるという「テ
ーラーメイド」方式を取っているとか。それに対して通常のワクチンは誰に
でも同じものを用いていますものね。」
「そうなんですよ!だから僕も大注目してます!」
「でもがんワクチンは大学研究レベルでの臨床試験段階で、安全性や効果に
ついて確証はないということですよ?保険が効かないので高額な治療費もか
かるそうですし。」
「そのようですね。腫瘍の縮小がみられるのはごくごく稀で、効果としては
認められていないみたいです。けれど腫瘍の縮小は稀でも免疫反応が増強す
るのは確実のようですし、一部の患者については生存期間が延長するといっ
た効果が見受けられるそうじゃないですか。費用も60万円弱かかるようです
が、他に治療方法がなければやってみる価値はありますよ!」
「そうですね。私もそう思います。なによりがんワクチンは抗ガン剤のよう
な強烈な薬に比べて副作用がとても小さいですからね。他の治療方法と上手
く組み合わせれば大きな効果を得られるようになるかもしれません。」
「がんの克服にまた一歩近づきましたね!つまり僕の1億歳の誕生日を迎える
夢がまた現実未を帯びたということですよ!いやーよかったよかった!」
ハル君の楽天家ぶりは何度見ても眩暈がしてしまいます……。でもなんだか
元気が出てもくるのですよね。不思議です。
│備考欄 (今日の要点)
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久留米大学医学部で国内初の「がんワクチン外来」が開設された。
●参考
国内初「がんワクチン外来」開設 2時間で1700人が殺到
http://www.j-cast.com/2009/04/02038773.html
2009/4/2 J-CAST ニュース
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