エリーアンチエイジング研究室

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│研究日誌 第9日目 エリー記す
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 標題:老化の学説はたくさんあります。
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 今日は老化の学説をハル君とおさらいしてみましょうか。

 「ハル君、あなたの面接の時に老化の学説について話してくださいましたよ
 ね?」

 「はい。覚えていますよ。」

 「今日は老化の学説についてもう少しまとめてみましょう。」

 「了解しました!」

 ハル君はいつも元気ですね。どこからあんなにエネルギーが出てくるのかし
 ら?……若さかしら?

 「? エリー先生、どうかなさいました?固まってますけど……」

 「はっ!……いえ、ごめんなさい。ちょっとあなたが羨まし……ごほん。な
 んでもないです。とりあえず主要な学説を書き出してみましょう。」


 主要な老化学説
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 プログラム説(老化は遺伝子によってプログラムされているという説)
  根拠↓
  1.動物種固有の最大寿命がある。
  2.ヒトの培養繊維芽細胞に寿命(分裂数に限界)がある。
  3.早老症という若齢で老化する遺伝病がある。
  4.老化を制御していると考えられる研究事実がある。
    例:テロメアの短縮
      アポトーシスの存在
      プロテアソームの存在 など

 環境因子説(老化は環境からの影響で起きるという説)
  いろいろな環境因子説↓
  1.磨耗説    (DNAに損傷が蓄積)
  2.活性酸素説  (フリーラジカルが原因)
  3.架橋結合説  (タンパク質が糖によって異常な結びつきをする)
  4.誤り説    (細胞分裂時などに間違った情報を持つDNAが作られる)
  5.老廃物蓄積説 (蓄積した老廃物によって器官の機能が低下する)
  6.自己免疫説  (免疫機構が壊れて、白血球などが自分の細胞や組織を
           攻撃する)

 「いろいろありますね。」

 「そうですね。どれか一つが正しいと言うわけではなく、どの説も老化に
 関わっていると考えた方が良いようです。」

 「僕は遺伝子が寿命をある程度決めていると言うのがとても歯がゆいですよ
 。僕の体中の細胞の遺伝子を操作して、寿命を延ばせればいいんですけどね
 ……。」

 「今はそこまでの技術はありませんね。それに操作すると言っても、どのよ
 うに操作すれば長生きできるようになるかもはっきりしてませんし。」

 「そうなんですよね。課題は山積みです。」

 「でもハル君、老化の環境因子は努力で取り除くことができるかもしれませ
 んよ?」

 「えっと、活性酸素とかでしょうか。」

 「そうです。活性酸素、またはフリーラジカルとも言う場合がありますが、
 ビタミンCやビタミンEなど、抗酸化物質が消去してくれると言われていま
 す。私もサプリメントとしてこれらを摂ってますしね。お肌にもいいですし
 。」

 「エリー先生も飲まれてるんですか?なら僕も飲んでみようかな。」

 「とにかく、今できること、可能性のありそうなことは試しておいて損は無
 いと思います。実は毒性があった、なんてことがあったら悲惨ですけどね…
 …。」

 「怖いこといわないで下さいよ〜、エリー先生……」

 「ふふっ、ごめんなさい。でも自分で情報を集めて、自分で判断して下さい
 ね。何しろ自分の体のことなんですから。」

 「はい!勉強します!」



│備考欄 (今日の要点)
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 老化にはいろいろな学説があるが、どの説も老化に関わっていると考えられ
 る。

 老化の環境因子の中には現時点でも取り除ける可能性があるものもある。


●参考文献 

 老化学説いろいろ:老年医学テキスト 改訂第3版、P.11、日本老年医学会編
 、メジカルビュー社(2008)

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